代表挨拶
安眠にかける想い
私が株式会社ロウダンの社長に就任したのは、1998年のことです。
1986年に父が長年勤めてきた合成樹脂商社から独立し「株式会社ロウダン」を設立。これからというときに癌を患い急逝しました。そこで入社したばかりだった私が会社を継ぐことになったのですが、急な交代でなかなか軌道に乗らず…そこでチャレンジしたのがインターネットショッピングでした。
当時はまだまだネットショッピングが普及していない時代で、ダイエットグッズや雑貨など売れるものを探しては販売しました。中でも好調だったのが「寝具」です。世の中の人は、寝具に思った以上にこだわりがあることを知りました。夏なら涼しく、冬なら暖かくというように、季節ごとに快眠を求めているのです。それまで狭い樹脂業界に閉じこもっていた私には、とても新鮮な発見でした。その後、寝具を中心に弊社は売り上げを伸ばしていきました。
苦しかった経営が、ようやく上を向きかけた…そんな矢先、私が重度の頸椎ヘルニアを発症してしまいます。突然の背中の激痛に脂汗を流し、一睡もできずに病院へ辿り着くと、医者には「手術もできない。一生付き合っていくしかない」と言われ愕然としました。そこから1か月寝たきりの生活。もちろんその間は仕事もままならず、人生で一番ともいえる苦境に立たされました。
繰り返す首や肩の痛みに安眠できない日々が続き、枕を何個も買い替え、自分に合う枕を探し続けました。いくら高い枕を買っても、カスタムメイドをしても、自分に合う枕が見つからないのです。もはや私自身が「枕難民」そのものでした。
そのときに、私の持てる経験と知識を総動員してでも自分が納得する枕を作りたいと強く思いました。そうすればきっと同じように苦しんでいる人たちの支えにもなる。その一念に突き動かされるように中国に渡って工場を探し、素材の交渉をはじめました。
ウレタンや樹脂と言うのは、発泡する過程で気温や室温、薬剤の調合などが製造結果に大きく反映します。私の求めているもっちりとしているのにふんわりと膨らむような、不思議な感触の素材の開発には専門的な知識が必要です。素材だけでなく形状や大きさ、安全性やコストなど、クリアしなければならない課題は山積み。そして、1年以上かけて生み出されたのがブルーブラッドです。
現在では、たくさんのお客様にこの枕の良さを共感していただき、お喜びの声を頂いてります。私としては、自身の辛い経験から生み出された必然のような商品ですが、同じような苦しみを抱えておられる方の救いとなれるのであれば、こんなにうれしいことありません。
これからも、革新的なモノづくりにこだわっていきたいと思っています。